傷病手当金を受給するために申請代行って必要?不要?社労士が解説!
今回は、そもそも論としてこのサービスは必要か?について解説します。
あなたも業者側でしょ?公平に書けるの?
となるかもしれませんが記事そのものは客観的なものになっているかと思います。
というのも、私自身がお客様の利益に全然ならない案件は受任したくないからです。利益に対する報酬をいただきたい。
サービスが不要な方には自身での手続きを促し、本当に必要な方に対してお届けするための記事であるとお捉え下さい。
目次
まずは結論から
基本的に必要ありません!少なくとも申請者の8割以上の方にとっては不要。
それで稼いでいる人が自らそれを言うの?というところではありますが、本当のことなので。
このサービスを必要な方というのは限られてきます。例えば、
・休みが短く業者に頼む程ではない→いらない
・会社側から手続案内をしてくれる→いらない
・自ら動いて解決できる→いらない
・会社側との信頼関係は続いている→いらない
こうなるわけです。
申請そのものも特別難しくはありません。初回でも2~3時間、慣れれば1時間以内に申請書は作れます。
つまり、必要条件さえ揃えばあとはご自身でも申請は普通にできます。
とはいえ、すべての方に申請代行サービスが不要かというとそうは思いません。
①退職後の継続受給を受け取りたい方
②会社が傷病手当金に非協力的
③過去に同一(類似)傷病で傷病手当金を受給したことがある
④-1 会社となるべく連絡を取りたくない
④-2 時間的負担や精神面的負担を抑えたい
例えば上記のような方には利益を提供できると考えます。
以下、個別に解説していきますので、ぜひ料金表とも見比べながら利用に値するかご判断いただければと思います。
利用をおすすめできる主なケースを解説
①退職後の継続受給を受け取りたい方
在職中の申請と違って、退職後の継続受給については一層慎重になる必要があります。
これに関しても弊所HPや他サイトなどネットには多数の情報がありますのでしっかり調べればご自身でも十分対応可能です。
しかし、万が一不支給期間が発生すると在職期間中ならばその期間が受給できなくなるだけですが、退職後になりますと以後一切受け取ることができなくなります。
つまり、最大十数か月受け取れるかもしれなかった権利を失うということが起こり得ます。
これを避けるには、退職前からルールを把握し「してはいけないこと」をしないことが求められます。
実際、間違った知識や勘違いにより取り返しがつかなくなった方からご相談を受けることもあります。
(大抵はどうしようもないので、失業手当等の他制度のご案内ぐらいしかできませんが...)
それを避けるため道先案内人や一種の保険として社労士を利用するのは一定の価値があると考えます。
②会社が傷病手当金に非協力的
正当な理由もなく病人に鞭を打ち、嫌がらせをする会社は悲しいことにまだまだ存在します。
そこまでではなくとも、色々な理由から後回しにされていることもあります。
こういった場合に取れる手段はあまり多くないのが実状なので、社労士の利用がおすすめです。
ご依頼いただければ、依頼者に代わり会社側に直接働きかけて解決を図ります。
本人がするより速やかな解決が期待でき、継続的な支援もできるのでメリットは大です。
よければ以下の記事もご覧ください。
③過去に傷病手当金を受給したことがある
傷病手当金については原則として1つの傷病につき通算1年6月の支給が上限とされています。
しかし、過去に同一(または類似)の傷病で傷病手当金を受給したことがあっても、一定の条件を満たせば受給を続けることができます。
とてもややこしいのでざっくりの説明になりますが上記には2つの論点があります。
1つめは同一傷病なのか別傷病なのか。
別傷病として認められれば、最初の傷病とは別に通算1年6月のカウントが始まるため受給が続きます。
ただ、別の病名ならば認められるほど甘いものではなく、「相互に相当因果関係を有しない傷病」であることが必要です。
特に精神疾患に多いですが、病名が別でも相当因果関係があれば関連傷病として同一傷病扱いになります。
2つ目は社会的治癒にあたるかどうか。
「相当の期間にわたって医療(予防的医療を除く)を行う必要がなくなり、通常の勤務に服していたことが認められる場合」は社会的治癒と認められ、同一傷病の申請であっても通算1年6月のカウントが再びゼロから始まります。
何年間どのように勤務していて、どのような通院状況であれば社会的治癒にあたるのか、明示されている具体的基準は一切ありません。
過去の例からおおよそのところを判断していく形になります。
上記見ればお分かりかと思いますが、2つの論点はとてもあいまいです。
実際そのとおりで、こうすれば必ず再び受給できるという保証はなく、できるのは受給の確率を高めることだけです。
社労士に依頼いただければ過去の例から受給の期待度をお伝え出来ますし、やるべきことをやるために使うというのは合理的かと思います。
④ 会社となるべく連絡を取りたくない、時間的負担や精神面的負担を抑えたい
精神疾患の方は特にそうかと思いますが、会社とのやりとりは精神を消耗します。
長期の休みや退職を歓迎しない会社ならばなおのことです。
また、在職中の申請については基本的に毎月勤務先とのやりとりが発生することになり、このやりとりによる負担が療養を妨げます。
ご依頼いただければ傷病手当金部分の会社連絡や申請は丸ごと受け持ちますので、煩わしさが大きく減ります。
退職後の継続給付は勤め先とのやりとりがなくなりプレッシャーは大きく減ります。
とはいえ、自身での申請が必須になり、しんどい時は時間的負担や精神面的負担がのしかかります。
ご依頼いただければ、病院側に申請書をもらった上でそれを社労士に送るだけで基本的に済むようになりますのでかなり楽になります。
まとめ
以上、傷病手当金受給のための社労士の申請代行について解説しましたがいかがだったでしょうか?
不要な場合が多いですが、必要な方には役立つサービスであることがお分かりいただけたかと思います。
弊所でも精神疾患の方を中心に多くの方からご相談をいただき、ご支援しております。
今後も、依頼者様の負担を減らすサービスを続けてまいりますので、ぜひお声がけいただければと思います。
執筆:クレイド法務事務所 代表
社会保険労務士 前田 健