傷病手当金の書類を書いてくれない!(会社編)

病気で休んでいるのが明らかなのに、いつまでも頑なに傷病手当金の申請書を書かない事業主。信じられないことなのですが、今でもこのような経営者はいます。そのような場合はどう立ち回って書いてもらうか、の記事です。

まずは費用のかからない方法を考察

前提として、「会社が申請書を書かない」には二つの意味があり、
・傷病手当金の支給申請手続きを代わりにやってくれない
・それどころか、事業主証明分すら書いてくれない
この2つに分かれます。本稿では後者、最悪のケースを想定します。

方法①直接催促/説得する

書かない理由にも色々あるので、説得に応じる場合もあります。例えば、
・費用がかかると思っている→健康保険からの支給なのでかからない
・書き方が分からない、忙しいから書けない→記載例を見せるなど教えてあげる
これで書いてくれるならそれでよしです。

しかし、
・労災認定されたくないから傷病手当金の証明もしない
・泣き寝入りを待っている
・単なる嫌がらせ
このような悪質な場合は難しくなります。別の方法も検討しましょう。

方法②保険者(協会けんぽ等)に相談する

従業員が会社に事業主証明分の記載を依頼しているのに、いつまでも書かないのは健康保険法違反です。

そして、保険者は会社に対し健康保険法の施行に必要な文書の提出をさせることができることになっています(健康保険法第197条)

このようなことから、傷病手当金の申請先である保険者に相談するのは有効な手段です。
とはいえ、保険者は給付する機関であって、違法状態を取り締まる機関ではないので、どこまで対応してくれるかについては確実なことは言えません。
また、精神疾患などで中長期に渡って受給する見込みであるならば、毎度同じように対応してくれるかは懸念になります。

費用はかかるがおすすめ:方法③社会保険労務士に依頼する

上記無料の方法を試すのも良いですが、社労士の利用もおすすめします。社労士といえど事務所により専門は様々でやりかたも異なってきますので弊所に依頼するメリットを基準に書かせていただきます。

なお、ご参考までに弊所の料金を最初に書いておきますと、会社への連絡から申請の代行まで込みで、税込25,300円が初回の基本料金となっております。(2回目以降税込7,700円または11,000円)
完全成功報酬(入金後の事後請求)としており、会社側から書類の入手に失敗した場合は料金をいただきません。
一部加算もありますので詳しくは料金表をご覧ください。

メリット①しっかり、穏便に圧を与えることができる

依頼主様に代わり会社側に連絡を取ります。それまでの経緯と依頼主様の意向にもよりますが、場合によっては会社側とやりあう事もやむなしのスタンスで臨みます。

とはいえ、穏便に解決できるならそれが一番です。基本的には「社労士から連絡が来た」となると、会社側は警戒して構えます。そして、申請書の記載をしないメリットがほぼなく、逆にデメリットが多いことを説明すると大抵は協力してくれるようになります。

それでもだめだったとしても、依頼いただいた以上簡単には引き下がりません。(あえてここでは明かしませんが)他の方法を検討することになります。

メリット②ご自身で対応するより受給が早くなる場合が多い

受給が遅くなる原因として、以下2つがよくあります。
・事業主の対応が遅い
・内容に誤りがあり、照会に応じたり書き直したりする

保留や後回しにされていた場合、社労士を警戒してからか早く対応いただけることが多いです。
他にも、例えば書き方が分からない事業主の場合、書き方をお伝えします。このように書かない理由を消すことで、急ぎで書類を発行していただきます。

また、社労士は申請書の作成と提出代行まで行うことができる国家資格者です。
必要な情報の収集と、確認作業をしながら書類を取りまとめて提出しますのでほとんどの場合書き直しにならず、保険者の審査もスムーズに進みます。

メリット③長期的な依頼が可能で、精神的に楽

申請に非協力的な会社との直接のやりとりは、精神衛生上良くないのは明らかです。
それを避けるという意味でもご利用いただく価値はあるかと思います。

また、一度は申請書に協力しても、以後継続的に応じてくれるとは限りません。
2回目以降の継続申請の代行についてもお任せいただければ、毎月の安定受給に向けて責任をもって会社側とのやりとりに当たらせていただきます。
依頼者様が、会社との連絡日が近づいて緊張したり気落ちしたりするようなことも減るでしょう。

とはいえ、初回に比べて2回目以降の申請はスムーズにいきやすいものです。事業主との関係によっては、ご自身での手続きに切り替えるのも良いかと思います。

まとめ

以上、会社が協力しない場合について書きましたが、いかがだったでしょうか?

会社側が協力してくれないからといって泣き寝入りする必要は全くありません。
弊所では、依頼者様の心が少しでも楽になるよう配慮しつつ、粛々と手続きを進めさせていただきます。
お悩みの方はぜひ一度、ご相談ください。

執筆:クレイド法務事務所 代表
   社会保険労務士 前田 健